長年住んでいる自宅を見回してみると、汚れやシミが目立ち、ガタが出ている部分などはありませんか。日本家屋の平均寿命は築30年といわれていますが、適切な処置を取れば50年以上住むことも可能です。

そこで必要なのが「リフォーム」ですが、どんなことをするのか理解していない方や、似た言葉の「リノベーション」と混同している方も多いでしょう。

こちらの記事では、リフォームの内容や違いを紹介しています。今の住宅に長く住み続けるためにも、ぜひ最後までおつきあいください。

「リフォーム」ってどんなもの？

リフォームには「改良・改善」という意味があり、経年劣化によって老朽化した建物の一部もしくは全部を新築時の性能にまで回復させることを指します。マイナスからゼロの状態に戻すために行うものといった感じです。たとえば、外壁の塗り替えや室内の壁紙・床の張り替え、古くなったキッチンの設備を新しいものに交換する、トイレを和式から洋式にするなどといったことが該当します。

「リノベーション」と、どう違うの？

リフォームに似た言葉で「リノベーション」というものがあります。「修復・刷新」という意味をもち、建物の間取りや配管・内装といった細かい部分から大がかりな工事を行います。マイナスからゼロの状態に戻すリフォームに対し、新築時以上の機能や付加価値をもたせることを目指したものがリノベーションです。実はこの2つには明確な定義がなく、会社によって解釈が違っており、意外と混同しがちですが、以下の2点において違いがあります。

工事の規模

大きな違いのひとつが工事の規模です。室内の壁紙や床の張り替え、キッチンの設備を新しく入れ替えるなど、部分的で規模が小さい工事がリフォームの特徴です。間取りを大きく変えたり、配管を移動したり、換気設備や内外装の変更をするために建物を骨組みだけにして改修することも多いので、大規模な工事になるのがリノベーションの特徴です。

住宅の性能

2つ目の大きな違いが、工事後の住宅の性能がどうなるかという点です。老朽化した建物に手を加えることで、新築の状態まで回復させキレイにする工事をリフォームといいます。リノベーションは間取りや配管・設備から大きく手を加えることで、新築以上の性能に押し上げる工事です。水回りや内装はもちろん、耐震・断熱・省エネなどの性能も向上でき、ライフスタイルや家族構成に合わせた家作りが可能となっています。

「リフォーム」と「リノベーション」、どっちがいい？

リフォームとリノベーションの違いがわかっても、どちらが自分に合っているのか悩んでしまうでしょう。築年数が浅くても気になる部分があったり、水回りを一新したいけど費用が心配だったりという事態もあるかもしれません。一概にどちらがいいとは言い切れませんが、ある程度の線引きとして以下の2点は押さえておくといいでしょう。

「予算を抑えて最低限の機能確保」ならリフォームがおすすめ

工事にかかる費用や期間を抑え、機能性を新築と同等にしたいならリフォームがおすすめです。壁紙や床の張り替えや、間取りを変えずキッチンを新しくしたい場合など、部分的な改善や改良で解決するものは基本的にリフォームで間違いありません。大きな工事を伴うリノベーションとは違い、工事が終わった後の完成形がイメージしやすいのもリフォームの良い点といえるでしょう。

「ライフスタイルに合わせた生活がしたい」ならリノベーションを検討しよう

工期や費用はリフォームより多くかかるものの、ライフスタイルを変えたい場合はリノベーションを検討しましょう。たとえば出産や同居、子どもの独立などで部屋数を変更したい場合や、ワークスペースの確保で間取りを変えたい場合など、大規模な工事はリノベーションが考えられます。キッチンやお風呂場などの水回りを大きく変更したい場合も、配管を移動する必要があるのでリノベーションを行う必要があります。

今の住宅に全く新しい機能や設備をもたせたいなら、こちらを選択するといいでしょう。それでも迷ってしまうことも考えられるので、その際はリフォーム会社に相談して決めると間違いありません。

まとめ